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高齢者の免許返納後におすすめ|いくつかの失敗と挫折を乗り越えて得た移動手段の体験談|第三話

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「免許返納」から始まる、新しい移動手段探しの物語

——85歳での新たな挑戦——
この記事は、長崎の片田舎で一人暮らしをする85歳の父が、自動車免許の返納を決意。その後、移動手段を模索しながら挑戦と挫折を繰り返し、最適な方法を見つけるまでの物語です。

離れて暮らすご両親や親族が高齢になり、自動車を運転していると、不安に思うことはありませんか?それでも、免許を返納すると交通の便が悪い地域では日常生活が大きく制限されてしまうという現実が…。また、実生活でも高齢の方の運転にヒヤッとされたことがある方も多いはず。もしその状況が自分の家族だったら…と考えたことはないでしょうか?

この記事では、そんな悩みを抱える方に向けて、高齢の父が移動手段を見つけていく過程をリアルな体験談としてお届けします。

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三輪バイクに挑戦し、練習中二度の転倒でスリキズを追い挫折した第二話

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三輪バイクの挑戦と挫折を経て、父がたどり着いたのは四輪の電動シニアカーでした。移動手段として必要不可欠なだけでなく、安全性や安心感を求めた結果、シニアカーという選択肢にたどり着いたのです。

シニアカー以外の選択肢|電動アシスト付き三輪自転車は?

原付からいきなりシニアカー?」「自転車とかの選択肢はなかったの?」そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も最初は同じことを考えました。

シニアカーを購入する前に、他の選択肢について家族で話し合ったのです。その中で一つの案として挙がったのが、電動アシスト付きの三輪自転車です。三輪自転車の構造は、原付バイクの三輪よりも安定性があり、電動アシストの力を借りれば、高齢者でも無理なく漕げるという点が魅力的でした。組立不要ですぐに乗ることができるもの、タイヤがパンクすることのないノーパンクタイヤが取り付けられたものなどであればより安心できると思いました。こういう自転車です↓

しかし、私たちはこの選択肢を検討する中で、次のような理由から断念することになりました。

【足腰への負担】
父は以前に比べて足腰が弱くなっており、いくら電動アシストがあってもペダルを漕ぎ続けるのは難しいのではないかと判断しました。特に坂道の多い土地柄では、長時間の使用がかえって負担になる恐れがありました。

【安全性の懸念】
三輪自転車は安定性がある反面、急なカーブや傾斜のある道ではバランスを崩しやすい場合もあります。過去に二輪や三輪バイクで転倒を経験した父には、シニアカーのような「完全に自立した四輪構造」の方が安心だろうと考えました。

【実際の使い勝手】
三輪自転車は自転車道や道路を走行することが多く、シニアカーのように歩行者と同じ扱いで歩道を移動できるわけではありません。買い物や病院への移動を想定すると、シニアカーの方が利便性が高いと結論付けました。

こうして、電動アシスト付き三輪自転車の案は候補から外れました。

家族内では、

私たち家族

父にとって最も安全で無理のない移動手段は何か?

という視点で意見が一致し、最終的にシニアカーという選択肢に絞り込むことになりました。

シニアカー購入の経緯|最適な選択肢を求めて

そして、私たちが選んだのが、四輪のシニアカーでした。父にとって安全性や利便性を兼ね備えた最適な移動手段として、アテックスのマイピアBT40を購入することになります。シンプルなデザインで、速度は0.5~6km/hまでダイヤルで調整可能。まさに徒歩や早歩きの速度に近い、安心して乗れる乗り物でした。

出典:メルカリ

今回、私たちはメルカリでこのシニアカーを購入。

中古品ながら状態は良好で、スペックも十分満足できるものでした。配送は「送料無料」となっていましたが、送料無料は配送会社の営業所留めまでで、自宅までの引き取りが必要でした。

そこで私はハコベルという配送手配のマッチングサービスを利用することで、自宅までスムーズに運ぶことができました。父も、

これなら安心して乗れそうバイ

と、シニアカーの詳細なスペックに興味津々。

私たち家族

一回の充電でどれくらい走るっちゃろか?

操作はどうやろうか?

など話が盛り上がり、シニアカーの練習開始に向け、期待が高まっていきました。

シニアカーの練習と使い勝手|徐々に広がる安心感

シニアカーが届いてから、まずは自宅駐車場での練習が始まりました。父は慎重な性格なので、最初に電源の入れ方や前進・後退の操作、ウインカーの使い方などを一つひとつ確認します。

恐る恐る1km/hほどの低速で前後に動かしてみる父の姿を見ながら、

私たち家族

これなら大丈夫かもしれない

と私たち家族もほっとしました。

そして、父が口にした感想は次のようなものでした。

「操作の多かけど、慣れれば簡単そう」

「5km/hって意外と速か~」

「でも、これなら確実に乗れると思う」

さらに、父がマニュアルを熟読し、「シニアカーは歩行者と同じ扱いである」というパートを読み進める中で、徒歩で散歩する際のマナーまで再確認していた姿には感心させられました。家族としても、「これが父らしい」と改めて思う場面でした。

日常生活での利用エピソード|新たな自由と喜び

練習はいたってスムーズ、何の問題も発生せずに進めることができました。練習を重ねた後、いよいよシニアカーを日常生活で使い始めます。

買い物では、その便利さが大いに発揮されました。

以前は坂道の多い道を歩いていくことに苦労していた父ですが、シニアカーでは楽々と移動できるようになり、近所のスーパーにも自分で行けるようになりました。
(買ったものはシニアカーのカゴに入れることができます)

病院への移動は少し距離があるため、バス停までシニアカーを利用するという工夫を取り入れています。

このバス停まで移動するとう方法で、公共交通機関と組み合わせて移動範囲を大きく広げることができました。

父がシニアカーを使用している中で

最初からこれにすれば良かったかもね(笑

と話した父に、

私たち家族

いろいろ試したけん、これが良かと分かったとよね~(笑

と共感しました。

シニアカーの充電に関しては、シニアカーの充電ケーブルが自宅屋外のコンセントに届かないため、防雨タイプのコードリール(延長ケーブル)を導入しました。

さらに、冬場の移動用に手袋をプレゼントすることで、オシャレ対策もおこないました。

いろいろな乗り物に挑戦し、失敗や挫折を経験しながらも、あきらめずに移動手段を模索して本当に良かったと感じています。

そして、何度も挑戦を続けた父の姿には、家族として心から感動しました。いまでは、そんな過去の苦労も忘れてしまうほど、シニアカーと共に快適で自由な日常を楽しんでいます。本当に良かった――この結論にたどり着けたことが、家族にとっても大きな喜びです。

三輪バイクのその後|家族での使い分け

三輪バイクは最終的に、私が引き取ることにしました。これ以上売却と購入を繰り返してしまうと、費用面でも非効率だったため、近所へのちょっとした移動用として使っています。

それならそれでいいさ(笑

と父も苦笑いしながら受け入れてくれました。

家族内での役割分担が、また一つ落ち着いた形になった瞬間でした。

安心して進むために

免許返納後、新たな移動手段を模索することは、決して簡単なことではありません。

それでも、家族のサポートや練習を通じて慣れることで、新しい手段を手に入れることができます。

操作が難しい」と感じることも、時間をかけて慣れれば乗り越えられるものです。もっと複雑な自動車の運転を経験してきた方なら、なおさら可能性は広がります。

もし、ご自身やご家族が運転に不安を抱えている場合は、ぜひこの機会に新たな移動手段を検討してみてください。この記事が、少しでもその参考になれば幸いです。

「うちは他のこんな手段を取り入れてるよ!」などありましたらコメントいただけると、みなさんの参考になると思います。みんなで良い解決策を共有しましょう!

次回の第四話では、これまでの乗り物比較や総まとめをお届けします。どうぞお楽しみに!

第四話へ続く。

第二話はこちら

【筆者コメント】

「高齢者の免許返納後におすすめの実話|いくつかの失敗と挫折を乗り越えて得た移動手段のはなし|第三話」をお読みいただきありがとうございました。

父のあきらめない姿勢には本当に感動しました。そして、尊敬しかありません。

シニアカーを届けた日に父が発した「操作が多い」という言葉がありましたが、今では特に考えることもなく自分の一部として操作ができているように見えます。

操作が多そう、難しそう」といった第一印象だけでなく、考えながらでも乗り続けることで習慣化し、身体で覚えるといった感じでしょうね。
(自分自身が子供のころに練習した自転車もそんな感じだったような…)

移動手段ができたことで、本当に生活が明るくなったように思います。同じようなご状況の方へ、少しでも参考にしていただければ幸いです。質問やコメントも大歓迎です。

次回の第四話では、このものがたりの総まとめをおこないます。

それでは、第四話もぜひご覧ください。

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