「免許返納」から始まる、新しい移動手段探しの物語④
——85歳からの挑戦、その結論——
この記事は、長崎の片田舎で一人暮らしをする85歳の父が、自動車免許の返納を決意し、新たな移動手段を模索する中での挑戦と挫折、そして最適な方法を見つけた体験談です。
免許返納という選択に直面する高齢者やそのご家族にとって、移動手段の確保は避けて通れない課題です。もし、あなたの家族が運転をやめたら、どのような選択肢を考えますか？また、高齢者の安全な移動手段について、具体的に検討したことはあるでしょうか？
運転免許を返納して自動車がなくなることは、田舎暮らしの高齢者にとって非常に大きな変化です。自動車を運転しなければ自身の運転で事故を起こすことはありません。しかし、「家から出なくなる」「笑顔がなくなる」となってしまっては心の健康には悪影響です。
この記事では、父が試行錯誤の末にたどり着いた答えと、その過程をダイジェストで振り返りながら、読者の皆さまにも移動手段を再考するヒントをお届けします。
～過去のエピソードを振り返る～
免許返納後、二輪スクーターに挑戦するも不安定さに悩み挫折した父の姿を描いた第一話。
三輪バイクに挑むも転倒を経験し、新たな課題に直面する父を追いかけた第二話。
四輪のシニアカーという最適解を見つけ、日常生活の中で新たな自由を手に入れるまでの父の姿をお届けした第三話。
～最終話でお届けすること～
最終話では、これまでの物語を総まとめし、それぞれの移動手段の特徴や課題を振り返ります。そして、免許返納後の生活で得られた気づきや、家族のサポートの大切さについて、父の体験から学んだことをお伝えします。
免許返納から始まる物語の振り返り
免許返納から始まる挑戦｜父の新たな一歩
85歳という年齢で父が決断したのは、自動車免許の返納でした。報道される高齢者の運転事故や自身の運転への不安から「もう車の運転はやめよう」と考えたのです。
自動車は一括査定で一番高く売れるお店に売却しました。
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複数の業者から見積もりが出るので、店頭に持ち込んで査定してもらうよりも高額で査定してもらえることが多いです。店頭査定「0」でも一括査定なら希望が持てます！父のクルマも古かったですが、見積額は各業者でしっかりと提示されました。クルマを手放す予定のある方は是非一度一括査定を受けてみてください。
一括査定で数社を対応するのは面倒という方は「カーネクスト」一択でよいでしょう。こちらも高査定が出ると非常に人気があります。
しかし、田舎暮らしで車を手放すということは、移動手段が一気に制限されるということでもあります。最寄りのスーパーや病院までは坂道を含む距離があり、徒歩での移動は現実的ではありません。公共交通機関も便数が少ないため、代わりの移動手段を探す必要がありました。
こうして父の「新しい挑戦」が始まります。免許返納という決断が、移動手段を考えるきっかけとなり、家族もその挑戦を支えるサポートをおこなうことになりました。
試行錯誤の中で得たもの｜挑戦と家族の支え
父はまず、手軽に乗れるだろうと考えた二輪スクーターに挑戦しました。練習を始めたものの、不安定さやカーブの難しさから断念。その次に選んだのは、倒れにくいと思われた三輪バイクです。しかし、倒れにくそうとの考えは幻想となり、練習中に二度転倒し、身体への負担と危険性を感じてこれも断念する結果となりました。
家族としては、「次は本当に安全で、父が安心して使えるものを見つけたい」と考え、電動アシスト付き三輪自転車を検討しつつも、シニアカーという選択肢にたどり着きます。四輪構造の安定感や、歩行者と同じ扱いで歩道を走行できる点が大きな魅力でした。
試行錯誤の中で父自身も「難しかこともあるばってん、やっぱり挑戦することが大事かばい」と前向きに取り組む姿勢を見せてくれました。それを家族として支えられたことは、私たちにとっても貴重な経験となりました。
乗り物ごとの比較とその結論
三つの選択肢を振り返る｜期待と現実
父が最初に挑戦したのは、原付免許で乗れる二輪スクーターでした。軽量で操作もシンプル。家族としても「手軽に乗りこなせそう」という期待がありました。価格も比較的安価で、気軽に試せることも魅力でした。
しかし、練習を始めると不安定さが顕著に現れ、転倒のリスクを感じました。父は「速度を出すと怖い」と話し、10km/h未満の低速でしか走れない状態でした。また、停車時に車体を支える必要があり、安定感に欠けることも問題に。このため、父は「やっぱり難しい」と感じ、二輪スクーターは断念することになりました。
ちなみにスクーターには、父の希望もあり、風防とリアボックスも新品を買って取り付けました。
二輪バイクや三輪バイクが新たな移動手段となる場合は、JAFに加入しておくのがオススメです。JAFでは原付バイクもロードサービス（救援）の対象となっています。
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JAFでは原付バイクもロードサービス（救援）の対象となっています。父は自動車を運転していた頃からJAF会員だったため、その点は少し安心感がありました。特に、バッテリー上がりなどのトラブルは誰でも慌ててしまうものです。慣れない乗り物であれば、なおさら困惑することでしょう。いざという時の備えとして、JAFへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
二輪の不安定さを解消するために選んだのが三輪バイクです。「三輪なら倒れない」というイメージがあり、家族も「これなら安心では」と感じていました。車体もどっしりとしており、より安定した移動が期待されました。
停車中は確かに安定感があり、父も「これなら大丈夫」と自信を見せました。しかし、練習中にカーブで車体が傾いて転倒。特に速度を落として曲がる際の挙動に慣れず、練習中に二度転倒する結果となりました。父は「思ったより難しい」と悔しそうに話し、三輪バイクも断念することになりました。
三輪バイクが倒れる？倒れるんです…。それだけではありません、足を地面につきながら発進すると、後輪に足が巻き込まれそうで、その点も見ていて不安でした。
その後、一旦は電動アシスト付き三輪自転車も検討してみましたが、父は足腰が弱いので「漕ぐ」という行為が不安だと考え、父には提案をおこないませんでした。足腰に不安のない方であれば「電動アシスト付き三輪自転車」は運動のためにも良いかもしれませんね。
三輪バイクでの失敗を踏まえ、四輪構造のシニアカーにたどり着きました。停車時も完全に自立する安定性があるため、家族としても「これなら安心して使える」と期待しました。速度も徒歩～早歩き程度に調整でき、操作が比較的シンプルなのも大きなポイントでした。
実際に使用してみると、シニアカーは父にとって最適な選択でした。練習では恐る恐る1km/hで動かし始めた父も、次第に5km/hの速さに慣れてきました。操作に慣れた後はスーパーへの買い物やバス停までの移動にもスムーズに利用でき、父自身も「最初からこれにすれば良かったかも」と苦笑いを見せました。
シニアカーは「メルカリ」で購入。送料無料は最寄りの配送会社の営業所までなので、営業所から自宅までは自身で取りに行くか、別途手配が必要でした。（参考までに）
画像のクリックでメルカリのシニアカー販売一覧ページへ移動できます。
最終的にシニアカーを選んだ理由
父が最終的に選んだのは、四輪構造の安定感を持つシニアカーでした。この選択に至った理由は以下の通りです。
安全性が圧倒的に高い
二輪や三輪に比べ、四輪構造のシニアカーは停止時も完全に自立するため、転倒のリスクがほぼありません。高齢の父が安心して乗れる移動手段でした。
速度調整が柔軟で怖さがない
シニアカーは徒歩～早歩き程度の速度に調整可能で、スピードに対する恐怖心を軽減します。これにより、父も安心して操作を覚えられました。
歩道を走行できる利便性
シニアカーは歩行者として扱われるため、歩道を安全に移動できます。これが買い物や病院への移動を含めた日常生活で大きなメリットとなりました。
操作が比較的シンプル
初めは慣れる必要がありましたが、電源の入れ方や速度調整、方向転換といった操作はシンプルで、父も短期間で使いこなせるようになりました。
こうして、父にとって最適な移動手段としてシニアカーが選ばれることになりました。これまでの挑戦と挫折があったからこそ、この結論にたどり着けたのだと思います。最初からこちらがシニアカーを提案していたら嫌がられていたかもしれません…。
読者様へのメッセージ｜挑戦と支えの大切さ
免許返納後の生活をどう考えるか
免許の返納は、高齢者とその家族にとって大きな決断です。特に田舎では移動手段を失うことで生活が大きく制限される現実があります。それでも、父が教えてくれたのは、「挑戦を続けることで新しい自由を手に入れることができる」ということです。
二輪スクーターや三輪バイクで失敗を経験しながらも、諦めずに移動手段を模索した結果、最適なシニアカーにたどり着けました。この過程で感じたのは、「まず動いてみる」という姿勢が、解決策を見つける第一歩になるということです。
もし、あなたのご家族が私と同じような状況にあるなら、「何ができるか」を一緒に考える時間を作ってみてはいかがでしょうか？
家族のサポートの重要性
父が新しい挑戦を続けられたのは、家族が寄り添い、一緒に練習を見守り、購入時に相談に乗ることで、安心して選択を重ねることができたのだと思います。
家族の支えは「特別なこと」ではなく、一緒に調べる、一緒に試す、といった小さな行動が、本人にとっては大きな自信と安心につながったと考えています。
あなたの経験やアイデアを教えてください
この記事を読んで、もし同じような状況に直面している方がいれば、ぜひコメント欄でご意見や体験談を共有してください。どのような移動手段を検討したか、また実際に成功した方法など、他の読者のみなさまにとっての参考にもなるはずです。
父と家族の変化｜新たな生活がもたらしたもの
父の生活に訪れた安定と自信
シニアカーを使い始めてから、父の生活は一変しました。それまでは坂道や重い荷物のせいで買い物も負担となり外出自体が減りがちでしたが、今ではシニアカーで楽に移動できるようになり、自分のペースで外出を楽しむ余裕も生まれました。
病院へ行く際も、バス停までシニアカーを使い、公共交通機関と組み合わせることでストレスが軽減。「こんなに楽になるとは思わなかった」と話し、自分らしい日常を取り戻せたようです。
さらに、移動手段が安定したことで、「無理に車を運転しなくてよかった」と過去の決断を肯定的に捉えるようになり、自信を取り戻した姿が印象的でした。
家族が感じた絆と新たな気づき
家族としては、父の笑顔が増えたことが何よりの安心でした。失敗を重ねた挑戦の末にシニアカーという最適な方法にたどり着けたことで、「どんな困難も一緒に向き合えば乗り越えられる」という実感を得ました。
また、父の挑戦を見守る中で、「年齢を重ねても新しいことに挑戦する大切さ」を教えられた気がします。家族としては、ただ支えるだけではなく、父が自分で選び、自信を持てるようにサポートすることが何より重要だと気づきました。
例えば、シニアカーの充電場所を工夫したり、操作方法を一緒に考えたりする中で、自然と家族間の会話も増えました。父がシニアカーで外出するときには、「何か買ってくる？」と声をかけるなど、小さなやりとりからも絆の深まりを感じるようになりました。
未来へ向けた思い
この経験を通じて感じたのは、「移動の自由を取り戻すこと」が、高齢者の自立だけでなく、家族全体の安心感にもつながるということです。父が再び自分らしい生活を送れるようになったことで、私たち家族も新たな希望を持てるようになりました。
最終的なまとめと感謝の言葉｜挑戦がつなぐ未来
この記事を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。免許返納という決断から始まり、新しい移動手段を模索する父の姿を通して、高齢者の生活における移動手段の重要性を改めて考えさせられました。
この記事を読んでいる方の中には、同じようにご自身の親や親族が高齢になり、移動手段について悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。そんな方々に伝えたいのは、**「挑戦を続けることの大切さ」**です。
挑戦を続けるというと大げさかもしれませんが、「できることをひとつひとつ探していく」といったイメージでしょうか。
父は二輪スクーター、三輪バイク、そしてシニアカーと試行錯誤を重ねました。その過程で失敗や挫折もありましたが、諦めずに挑戦を続けたことで最適な答えを見つけることができました。この経験を通じて「新しい選択肢を見つける勇気」がどれほど大切かを実感しました。
家族ができるサポートの意義
移動手段は、本人だけでなく家族全体で考えるべき課題です。私たち家族も父と一緒に悩み、選択を進めていく中で、多くの気づきを得ることができました。「完全に任せる」だけでは進みにくく、「こちらが決める」では拒絶されていたかもしれません。寄り添いながら一緒に進めることで、父も自信を持って挑戦できるようになったのだと思います。
私の体験が、「家族としてどのように支えられるか」を考えるきっかけになれば嬉しいです。私たちの体験を参考に、移動手段を検討する方々が一歩を踏み出す手助けとなることを願っています。
最後に｜あなたの経験も教えてください！
この記事を通じて何か気づきがありましたでしょうか？もし同じようなご経験をお持ちの方があれば、ぜひコメント欄やご意見や体験談など共有してください。新しい移動手段を見つけるまでの過程や成功例は、他の読者の方にとっても大きな参考になります。
挑戦を続けることが、新しい自由と未来をつなぐ鍵になります。この記事が少しでも役に立ち、同じような悩みを抱える方々の参考となればそれほど有難いことはありません。
第四話を終えて
これで全四話にわたる「免許返納から始まる物語」は完結です。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この記事が、多くの方の新しい選択肢の参考となり、行動を起こすための一助となれば幸いです。
